1. ホーム
  2. もやし生産者の窮状にご理解を!

もやし生産者の窮状にご理解を!

この数年来のコロナ禍やウクライナ情勢等による世界経済の混乱は、エネルギー価格の高騰や急激な円安の進行等を招き、私たちの暮らしや日本経済にも大きな影響を与えていることは周知のとおりです。
そのような状況にあっても、もやし生産者は物価の優等生と言われるお手頃な価格を実現・維持するため、様々なコスト削減努力を徹底的に追及して参りました。
しかし、もやし生産者の経営体力はもう限界を迎え、危機的な状況に直面しています。日本の食卓に欠かせない美味しい「もやし」をこれからも安定してお届けしていくためにもやし生産者の窮状にご理解を賜りますよう心よりお願い申し上げます。


(第3弾 令和4年11月7日更新)

もやし生産者の窮状をご理解ください
令和4年11月7日発行の日本経済新聞朝刊に全面広告を掲載しました。

11月11日「もやしの日」を迎えるにあたり、これまで支えてくださったすべての皆様への感謝の意を表するとともに、現在のもやし生産者の窮状と、皆様にもやしをお届けし続けるために目指したい持続可能なサプライチェーンの構築について、皆様のご理解とご協力をお願いする内容です。

20221107_日本経済新聞朝刊全面広告_もやし生産者協会

 日本経済新聞全国版 令和4年11月7日 朝刊掲載広告デザイン(PDF)  New!

もう続けていけない状況です。

「物価の優等生」として家計に貢献できることは、わたしたちの誇りでもありました。 しかし、安さばかりを追求していては、もう続けていけない状況です。 なぜなら、30年前と比べて、原料種子は3倍以上、最低賃金は1.7倍、その他様々なコストも上昇。 一方のもやしの全国・平均価格は2割以上も下落しているのです。 もやし生産者は8割減少し、今も減り続けています。

価格推移グラフ2種_1992_202208

※「原料種子価格」は、財務省貿易統計発表の数値より算出した数値を1992年を100とする指数に改変。
※「全国・平均価格」は、総務省家計調査家計収支編発表の数値を基に1992年を100とする指数に改変。

もやしの未来のために私たちが目指すこと「持続可能なサプライチェーン」

もやしは、各生産者が日本各地の工場で大切に育てています。けれども、もやしの原料種子である緑豆等は、安定した品質の確保とコスト低減のために、ほぼすべてを海外からの輸入に頼っています。私たちもやし生産者がこれまで同様においしいもやしをお届けし続けるためには、安全で品質の高い原料種子の確保がとても重要です。
生産コストを抑えるために安い原料種子を求めるばかりではなく、原料種子を栽培している現地の人々の労働環境や生活水準が保証され、またその国の自然環境にも優しい配慮がなされる持続可能なサイクルを作っていくことが大切です。今後より一層その発展を目指していかなければならないと考えています。

 


(第2弾 令和4年2月21日更新) 

消えゆく もやし屋

戦後1000程度いたもやし生産者は、1995年頃には550程度に、現在では110のみ、そのうち7都県はもやし生産者がゼロ、15府県は1生産者のみとなってしまいました。

 
202201_全国のもやし生産者数推移

注1)豆を原料種子としない生産者、大豆もやしのみの生産者、自社加工食品用途のみの生産者、温泉や土を使用するなど特殊な栽培方法を用いている生産者は含まない
注2)工場数ではなく生産者(原則として本社所在地、本社所在地にもやし工場がない場合にはもやし工場所在地)数による

注3)離島等により把握できない生産者は含まない

 令和4年2月21日付文書「消えゆくもやし屋」(PDF) 


(第1弾 令和3年12月8日更新) 

上がり続ける「原料種子価格」

もやしの主な原料種子である中国産緑豆の 価格は、特に2010年以降、作付面積の減少や 産地の人件費高騰・天候不順などにより高騰が頻発、来年も今年に続き高騰する見込みです。

上がらない「小売販売価格」

現在のもやしの小売販売価格は、四半世紀前の1995年と比較して2割以上安く、2015年 及び2017年の中国産原料種子高騰の際わずかに改善したものの停滞したままです。

 
202112_原料種子と小売販売の価格推移

※中国産緑豆価格は「財務省貿易統計」発表の数値を基に1995年を100とする指数に改変、2021年は9月までの平均値、2022年は予想値
※もやし小売価格は「総務省家計調査家計収支編」発表の数値を基に1995年を100とする指数に改変、2021年は9月までの平均値、2022年は2021年と同値と仮定した数値

原料種子価格は過去40年の最高値に、その他コストも上昇

原料種子(緑豆)の主産地である中国東北部では、この2年連続して緑豆の発育・収穫期に天候不順が おこり、もやし生産に適した高品質な緑豆の確保が困難な状況になっています。
それに伴ってこれから輸入される中国産原料種子(緑豆)の産地価格は、記録的な高騰となった2015年を超える見込みです。そして、現在の円安の為替相場が続けば、輸入時の価格はさらに高値になります。
加えて、新型コロナウイルス感染症拡大に起因する海運・輸送関連費用上昇も影響するため、最終的に 生産者が手にする中国産原料種子の価格は、過去40年の最高値を更新することが確実な状況です。

深刻なもやし生産者の現実・経営環境

直近の原油価格高騰や最低賃金上昇も、もやし生産者の困難な経営状況に追い打ちをかけます。
これまでもやし生産者は、企業努力によるコスト吸収に全力を挙げて取り組んでまいりました。
しかしながら、すでに体力は限界を迎えております。

私共もやし生産者は、安全・安心な商品を消費者の皆様にお届けすることが使命であります。
今後も全国の消費者様への安定供給を維持するために、非常に深刻なもやし生産者の現実・経営 環境等へのご理解とご高配を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

令和3年12月8日付文書「もやし生産者の窮状について」(PDF)もっぴー_悲しい_3

(参考)農林水産省「食品製造業・小売業の適正取引推進ガイドライン」